唾液には洗浄、消化、 抗菌、抗ウイルス、 歯のエナメル質修復、粘膜保護など、さまざまな作用があります。
中でも、抗菌作用はう蝕や歯周病、口腔内の感染症や粘膜疾患だけでなく、全身的な感染症の防御にも重要な役割を果たしています。
ヒトの口腔内には、700種類にもおよぶ微生物が存在しています。
すでに、歯周病菌により産生された炎症性サイトカインが、糖尿病や動脈硬化の発症に関与することがわかっています。
また、肺炎は死亡原因の第4位で、90%以上が65歳以上の高齢者です。
その原因のひとつには唾液分泌低下に伴う誤嚥が考えられます。
つまり、ドライマウスにより唾液のもつ抗菌作用や洗浄作用が低下し、さらに、湿潤・潤滑あるいは消化作用などの低下により、摂食嚥下機能に影響を及ぼすのです。