矯正治療の歴史
もくじ
矯正治療の始まり
矯正治療の始まりは、18世紀に始まります。
歯並びへの関心は高まり、多くの歯科医師によって矯正治療が行われました。
歯に固定する固定式装置では、拡大装置、金属製の副木装置、金属帯環など、取り外しの出来る可撤式のものでは、歯列の拡大床、咬合拳上ブロックなどが使われていました。
そして、19世紀には、“歯並び”から、“噛み合わせ”にも、関心が高まり、現在のように顎間ゴム、斜面板などによる治療が行われるようになりました。
1899年にAngleが、上下第一大臼歯の噛み合わせの関係をもとにした、不正咬合の分類を発表し、これは現在も世界中で診断時に使われています。
そして、Angleは、歯を抜かない矯正治療の考え方を説きましたが、その後、歯を抜く考え方の方が主流になり、現在の矯正治療の考え方のベースになっています。
歯を動かす装置については、Angleや、その弟子のTweedたちは、矯正力を人為的な器械力、すなわち、歯列弓拡大線装置、紐状装置などの強い力の装置を使用していました。
一方ドイツのSchwarzは、矯正力を生物学的にも無理のない弱い力にもとめ、床矯正装置を開発しました。
この装置が当クリニックの矯正治療で使用している床矯正装置の原型です。
したがって、歯に無理のない力で矯正しますので、痛みも少なく、歯にたいする安全性も高いのです。歯に強すぎる矯正力を加えると、歯の根が溶けて歯の持ちが悪くなります。
第二次世界大戦後、アメリカで行われてきた器械的な歯の矯正と、生物学的な自然派であった、ヨーロッパの矯正が相互に交流し、考えの差も少なくなってきます。
そして、オーストラリアのBeggにより、ライトワイヤーテクニックが紹介され、エッジワイズ法が広まっていきます。これが現在のワイヤーブラケット装置です。
さらに、ニッケルチタン合金ワイヤー、インプラントアンカーも開発され、より技術的にも高度になっています。
時代とともに変化する矯正治療
矯正治療に対する考え方も、Angleは、「不正咬合を治すこと」と唱えたが、その後、「顔の成長発育」の要素も加えられた。
さらに、日本の榎先生は1974年に「歯科矯正学とは、歯、歯周組織、あご、さらにそれを包含する顔の正常な成長発育を研究し、それらの諸構造の不正な成長発育から引き起こされる不正咬合やあごの異常な関係を改善して、口顎系の正しい機能を営ましめ、同時に顔貌の改善をはかって、社会的、心理的に個人の福祉に寄与し、進んではそれら不正状態の発生を予防するための研究と技術を含む歯科の一分科である」 と述べられています。
立川の近藤歯科クリニックは、お子様たちの正常な成長発育をめざし、口腔周囲の正しい機能を身に着けていただくために、今後も真摯にまっすぐに矯正治療に取り組んでまいります。