子どもの歯並びと舌の癖
子どもの歯並びと舌の癖
子どもの歯並びと“舌の状態”は密接な関係があります。
最近の矯正相談では、歯並びに問題のあるお子さんのほぼ70~80%のお子さん方に、舌の位置異常、または、舌の運動に問題が見られます。
舌は通常、上あごのくぼみ(口蓋=こうがい)にくっついている状態が自然です。
食べものを飲み込むとき、しゃべるときはもちろん、勉強をしているときも、本をよんでいるときも、考え事をしているときも、常に舌は口蓋にくっついているものです。
ところが、舌を口蓋にくっつけられないお子さんが増えているのです。
そして、舌で歯いつも触っている(押している)状態なのです。
その触り方によって歯は動かされ、受け口(反対咬合)や上下の前歯がかみ合わない状態(開咬)になっていくのです。
2歳後半から5歳前半の幼児期の“子どもの歯並び”の時期の“受け口”はまず、この舌が大きな原因となっています。
舌で下の前歯をいつもググッと前に押し出しているのです。
このタイプのお子さんは、下唇が前に出ていて、下あごをいつも前に出そう、出そうとします。
その結果受け口になり、幼児歯科健診や、歯科医院を受診し、お母さん、お父さん方は「受け口になっていますが、どうしたらいいですか?」と相談します。
ところが、ほとんどの歯科医師は“舌が原因”とは知らない(普通、歯科健診をしている歯科医師は矯正治療を実際に行っている人はほとんどいませんので)ものですから、「まだ、子どもの歯なので様子を見ましょう。永久歯が生えるまで・・」と言うのです。
しかし、“舌を前に出す習慣”が自然に治ることは、まずありませんから、5歳後半から6歳にかけて、前歯が永久歯に生え変わっても下の歯が前に出た状態(反対咬合)になっていきます。
ここで、あわてて、矯正歯科に相談に行くと、さらに、「奥歯が生え変わりはじめるまで様子を見ましょう」と言われ、下あごがさらに前に伸びて骨格的にも反対咬合になってしまうこともあるでしょう。
奥歯の生え変わり時期は、背もグーンと伸びる時期ですが、舌の状態も背が伸びるのと同時に、さらに不安定になり、前に出てきます。
今までの臨床経験のなかで、下唇が突然前に突き出てきて、それがきっかけとなって背が急激に伸び始めたお子さんを何人も見ました。
・・・そして、最後には“あごの骨を切る!”手術をすすめられるのです。
実際に“舌の力”というのは、矯正の力よりずっと強い力ですから、
舌の位置、動き、悪い習慣などをそのままの状態にしておいては、歯を矯正治療をして動かしても、また元の状態に戻ってしまいます。(矯正の後戻り現象)
ですから、お子さんの歯並びを良くするにはまず、舌の働きをよくすることが大変重要です。
たしかに、“舌”以外にも、悪い歯並びの原因はありますが、“歯並びに対して直接悪影響を及ぼし、さらに大変治しにくい!”のが舌の問題なのです。
では、どういう方法で舌について、対処していくのでしょうか?
近藤歯科クリニックでは、4歳以上のお子さんであれば、パナシールドをやってもらいます。
マウスピース型の装置で夜間はめるのです。⇒詳しくはこちら
また、“あいうべ体操”や“タッチスティック”も有効です。
6歳以上であれば、ガムを噛む“ガムトレーニング”も効果があります。
このように、幼児期から、その時に“できることを無理なくやっていく”ことが大切です。
それが、その状態の改善につながります。
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