矯正治療の治療期間
もくじ
矯正治療の治療期間
矯正治療は歯科治療の中でも、かなり期間がかかります。比較的簡単なものでも1年以上、困難な症例だと5年以上。それだけ歯を動かすには時間がかかります。
なぜ矯正は治療期間がかかるの?
歯は骨(歯槽骨)によって支えられていてます。矯正治療の場合は一定方向から“力”を加えることによって、この骨を溶かしていき、さらに再生させる「骨代謝」というメカニズムを繰り返し利用し治療を行っていきます。ただし、強い力をかけ過ぎると動かしている歯の根に負担がかかり過ぎて「歯根」の先端部分が溶けて(吸収)根が短くなってしまいます。そうならないためにも、歯を動かすのにも“適度な力”が必要なのです。
後戻りをさせない
また、歯を一旦動かしても、その場所で新しい健全な骨を再生させなければ、動かした歯は“後戻り”をしてしまいます。
ですので、安全にかつ確実に歯を動かすには“適度な力”と“ある程度の治療期間”が必要です。
矯正方法によって治療期間も変わります
現在、歯科矯正治療は様々な方法がありますが、それぞれ症状、状態によって適応、不適応があり、どの方法は早い、遅いとは一概にはいえません。
たとえば、ワイヤー矯正では、歯を動かすスピードは速いのですが、永久歯を抜いたり、歯を3次元的に動かすので歯の動かし方が大きく、さらに歯並び全体を動かしていきますので、治療期間も長くなります。
また、マウスピース矯正は、歯を動かすスピードは遅いのですが、症例的に重度の叢生、かみ合わせの修正などには適応できません。
床矯正は、患者さんが矯正装置を決められた時間で装着できて、かつ並行して、噛むトレーニングをやるかによって、治療期間に大きな差が出ます。つまり患者さん次第で変わってきます。
このように症例、状態ごとに、それに適した矯正方法も異なってきますし、患者さんの“どこまで望まれるか”というご希望、また、それに取り組まれる姿勢によっても変わってくるといえますので、それぞれの矯正方法の特長をよく理解されて、治療方法を選択されると良いでしょう。
ちなみに、「セラミック矯正」という方法も聞きますが、これは単に歯を削って被せ直すだけで、短期間(1〜2カ月)で終わるかもしれませんが、本来の矯正治療ではありませんし、かぶせ物がどれだけ持つかという問題もありますので、あまりおすすめではありません。