矯正治療は必要かどうか?
もくじ
矯正治療は必要かどうか?
出来るだけ早期に診断
矯正治療が必要かどうかは、まず、歯の大きさとあごの大きさのバラ
ンスがとれているかどうかです。
ただ、それがはっきりするのは、小学校高学年になって、犬歯(糸切
り歯)が生え変わって、ちゃんと歯並びの列の中に納まるかどうか見
れば
よくわかりますが、これでは遅すぎます。
小児矯正では、最近の傾向として、子どもたちのあごがさらに小さく
なり、歯の重なり(叢生=そうせい)の度合いが強くなり、より歯並
びが悪くなる傾向にありますので、
従来は小学校高学年で始めていた矯正治療はさらに早期に、小学校低
学年に始めるようになりました。
ですから、小学校高学年になってしまうと、“小児矯正”というよりは
、“成人矯正”の傾向がでてきて、治療期間も長くなり、手間も費用も
少しかかります。
矯正が必要か見極める方法
では、出来るだけ早い時期にどうやって発見!するか?
歯並びが将来的に良くない、と判定するのか?
お母様、お父様方、素人の方でも見極める良い方法かあります!
下の前歯が4本生えた時期です。
この4本の歯に重なりがあるかどうか見てください。
重なっていれば矯正治療が将来的に必要になりますし、重なっていな
ければしなくても並ぶかもしれません。
“かもしれません”ということは、それでも、重なりがなくても、乳歯
の犬歯と永久歯の犬歯の大きさを比較すれば、だいぶ違いますから、
きれいに並ばない可能性もあるからです。
前歯の4本が生える時期はお子様によって差がありますが、だいたい
、小学校1~2年くらいで、さらにその前後1年ほどは幅があります。
この時点で並んでいない場合はまず、将来的に矯正治療をしないで、
自然にきれいに歯は並びません。
さらに、もっと早い時期、小学校入学前の年長児から、小学校1年生
時に最初に生え変わる下の前歯2本(または上の前歯2本)がちゃん
と並んでいなければ“将来的に自然にきれいに並ばない”と思っていた
だいてもいいと思います。
あと、下の前歯4本(または2本)がきちんと並んでいても、その横
の乳歯がよけいにもう1本抜けてしまっていれば、ちゃんと並んでい
ることにはなりません。
1本の乳歯が抜けて1本の永久歯にそれぞれ生え変わっている状態が
基本です。
乳歯列期(永久歯が生える前)に見極める方法
さらに、“子どもの歯(乳歯列期)”にもうすでに、矯正が必要と思わ
れる場合もあります。
- 1 子どもの歯で前歯が重なっている場合
- 2 前歯(または奥歯の場合もあります)の噛み合わせが逆になってい
る場合 - 3 極端に前歯の噛み合わせが深い場合
- 4 前歯が前に飛び出している場合
まず、「1 子どもの歯で前歯が重なっている場合」についてですが、従来は子どもの歯の時期は歯の間が空い
ている(隙間がある)状態が標準でした。
しかし、最近は歯の間が空いているどころか、きっちり詰まってい
たり、重なりのある状況も見られます。
後から生えてくる永久歯は乳歯の倍近い大きさであり、すでに乳歯
の状況で重なりがある場合は、まず矯正治療は必要です。
「2 前歯(または奥歯の場合もあります)の噛み合わせが逆になってい」はよく見られますが、噛み合わせが逆の場合は永久歯に生え変わ
ると、そのまま逆の噛み合わせになることが多く、さらに放置しま
すと、下あごが前に出てきてしゃくれ顔になる場合もあります。
逆の噛み合わせについては、「永久歯に生え変わるまで様子を見ま
しょう」などと歯科健診で言われることが多いですが、黙って様子
を見ていてはいけません。“舌の位置のトレーニング”、“原因に対す
る対処”をしなくてはなりません。注意!です。
「3 極端に前歯の噛み合わせが深い場合<」については、過蓋咬合(かがいこうごう)と言って上あごの成長 不足、下あごの後退などの原因によって起きますので、これも矯正 的治療が必要です。
「4 前歯が前に飛び出している場合」は指しゃぶりなどが遅くまで残ってしまった場合に起こり、これ
も、上あごの成長不足、下あごの後退に、舌の突出などのよって
起こりますので治療が必要です。
あと、“歯並びの状況”には原因があります。
幼少期からの対処が有効です
実際に小児矯正をするかどうかは別として、歯並びを悪くする原因に
対して、なるべく幼少期から、対処していくことが医学的に望ましい
です。
たとえば、食事の仕方、“よく噛んでいるか”とか、“食事の時の姿勢”、
さらに、口の機能、“舌の動き”、“舌の位置”など、成長期の前に修正し
ていくことにより、“歯並び”だけでなく、よりよい身体づくりにつな
がっていきます。
とくに、乳歯列期(小学校入学前)の悪習慣改善はたいへん重要です
。
立川の近藤歯科クリニックでは、このような“良い習慣作り”を重視し
た、小児矯正に取り組んでいます。