小児矯正とバイオセラピー
もくじ
バイオセラピーとは?
舌や頬などの口の中、または口の周りの筋肉のトレーニングにより、筋の機能を高めていく治療のことをいいます。
バイオセラピーの目的
①歯並びを整える
②歯軸(歯の角度)を整える
③噛み合わせを整える
④歯の萌出をうながす
⑤後戻りを防ぐ
小児矯正とバイオセラピー
当クリニックの小児矯正は、取り外し式の床装置が中心です。
床矯正治療は、原則、永久歯を抜かないため、狭くなっている歯並びのアーチを広げることと、“良い成長発育”が大変重要です。
ですから、小児矯正の成果は、バイオセラピーに取り組んでくれるかどうか、ということが出来ます。
バイオセラピーをご検討中の親御さまは、ぜひ「小児矯正を始める前に」のページをご覧ください。バイオセラピーや小児矯正で適切な効果を得るためには、舌や頬、口周りの筋肉をトレーニングする意義について、お子さまにも理解していただく必要があります。
その他、小児矯正をスムーズに進めていく上での注意点等も解説しておりますので、目を通していただけたら幸いです。
小児矯正が必要となる歯並びの種類や治療に要する期間、近藤歯科クリニックの小児矯正の特徴に関しては「小児矯正」と「小児矯正について」のページに詳しく記載してあります。
バイオセラピーの種類
バイオセラピーは以下、大きく分けて3つの項目に分けられます
①舌のトレーニング
食べものを飲み込むとき、正常な嚥下運動では、舌を上顎の裏の部分(口蓋=こうがい)にくっつけます。
発音するとき、または、普段、無意識にしているときなども、舌を口蓋にくっつけている状態が正常です。
しかし、嚥下、発音などの機能時、またはそれ以外の安静時に舌を口蓋にくっつけられないお子さんが増えています。
原因としては、食べ物の状態、食べ方などの食生活の変化、または、授乳時や離乳時の食事の摂り方による正常な嚥下機能の習得が出来なかったため、舌がくっつけられないのだと考えられます。
さらに、発音にも悪影響がでてしまいます。
そして、矯正治療後の“後戻り現象”の最も大きな原因でもあります。
したがって、当クリニックでは、この舌のトレーニングに力をいれています。
◎使用器具
・パナシールド
・あげろうくん
・タッチスティック
・ガムトレーニング
上記の器具は、あくまでバイオセラピーに用いるものです。小児矯正では、他にもたくさんの器具を使用する機会があり、それぞれ期待できる効果や使用法も異なります。
そんな小児矯正で使用する治療装置については、「小児矯正の治療内容や治療装置でよく頂くご質問に関して」のページをご覧ください。親御さまからよくいただく質問にお答えしております。
② 唇を閉じるトレーニング
最近、お口ポカンのお子様が増えてきているように思います。
唇が閉じていないと、歯並びは悪くなります。
また、成長期のお子様の場合、顔貌も変化して、唇が分厚くなったり、縦長のお顔になってしまうこともあります。
◎使用器具
・とじろうくん
・タッチスティック
とじろうくんやタッチスティックで改善できる口呼吸は、飲み込む時に舌が出る異常嚥下癖(いじょうえんげへき)があったり、唇を閉じる力が不足していたりするケースに限られます。
その他、咽頭扁桃の増殖肥大(アデノイド)、口蓋扁桃の肥厚、鼻中隔湾曲症による鼻づまり、気道の狭窄によって口呼吸が誘発されていることもありますので、お口ポカンの症状が認められる場合はその原因を歯医者さんでしっかり検査してもらうことが大切です。
そんな口呼吸の原因や改善方法については、「小児矯正と口呼吸」のページをお読みください。
③ よく噛むトレーニング
これが最も重要です。
いくら装置で歯を動かしても、しっかりと噛まないときれいな歯並びになるのは難しいです。
床矯正は取り外し式の装置ですが、ワイヤーブラケット装置のような取り外し式でない歯に固定する装置を使用して歯を動かしても、よく噛まないと後戻り現象を起こして、歯並びは乱れます。
床矯正とバイオセラピーとの関係は、「小児矯正の特色」のページをご覧ください。
小児矯正治療では、よく噛んでくれると、歯並びがきれいな状態を維持するだけでなく、矯正治療の期間も短くすることが出来ます。
噛む力によって、歯を支える骨がしっかりと作られるのです。
◎使用器具
・食事のとき、“よく噛む”こと(器具、というよりは習慣ですがこれが第一です。)
・使用器具としては、チューブ咬みです。
各器具、ならびにトレーニング方法の説明
1. パナシールド
受け口のお子様におすすめしている簡単な装置です。
装置は当クリニックでお渡ししております。(指導と装置で15,000円)
舌の位置を修正する装置です。主に受け口(反対咬合)の治療に効果のある装置です。
適応年齢から4歳〜9歳くらいですが、お子さんの年齢が低いほど効果があります。
受け口は舌の位置によって起こります。
したがって、比較的軽度のうちに、しかも、永久歯の歯並びに移行する前に乳歯の歯並びの時期に治すのです。この装置をはめることにより、舌の位置が修正され、舌が上あごの口蓋(こうがい)にくっつくようになり、舌が下あごを押し出さなくなり同時に上あごを成長発育させます。そして、4,5歳でお子さんが歯並びに意識があるお子さんであれば、しっかりとはめてくれますので、3ヵ月から半年で治ることが多いです。
装着時間は眠っているときと寝る前など起きているときに30分程度です。注意点としましては、受け口を初期にしかも、費用も少なく(5,400円)比較的簡単に治せるたいへん有効な装置なので、慣れないうちはあせらず、少しずつ入れる時間を長くしていくなど、無理強いして、お子さんがこの装置を嫌いにならないようにすることです。装置を入れて頑張ったら褒めてあげたり、お顔の変化を喜んであげてください。サイズはS,M,Lの3種類あります。
2. あげろうくん
舌の正しい機能を身に着けることができます。きれいな歯並びを維持するだけでなく、口元の形もきれいになります。
3. よく噛むこと、チューブ噛み
まずは、食事の時、ゆっくり噛んで食べましょう!
食べものは硬いものを多く食べる必要はありません。
ただ、ゆっくりと、よく、噛んで食べることです。
しかし、ひとつ注意があります。
前歯で噛めるもの(おかずやパン、野菜、果物など)はなるべく前歯で噛むようにしてください。
前歯は、意識しないと使いません。
そこで、食事の用意をされる、保護者の方へお願いです!
前歯を使うように、食べ物を小さく切らずに、大きく“かじる”ようにしてください。
チューブ噛みは、クリニックでご指導いたします。
4. タッチスティック
☆舌の位置を改善する大切なトレーニングです。
- ・前歯でタッチスティックの真ん中を合わせて噛んでくわえます。
- ・舌をタッチスティックのスプーンの上にのせます。
- ・このとき舌全体を上あごにくっつけるようにするのがポイントです。
5. ガムトレーニング
☆舌の正しい動かし方と正しい飲み込み方を練習するたいへん重要なトレーニングです。
近藤悦子先生(東京都開業)が考案されました。
床矯正研究会冊子「床矯正・矯正治療のバイオセラピー 食育」鈴木設矢 大河内淑子 より引用
6. とじろうくん
口を閉じる力を作ります。3分間くわえるだけで、口唇閉鎖力のストレッチが可能です。</span >
7. あいうべ体操
8. 悪習慣への対応
悪習慣とは、歯並びに悪い影響を与える日常の習慣のことです。
たとえば、
指しゃぶり
うつぶせ寝
頬杖
食事の時の悪い姿勢
などです。
歯並びに悪い習慣(くせ)
このページでご紹介したバイオセラピーの目的や種類、実際のトレーニング方法などについて疑問に感じる点があれば、いつでも立川の矯正歯科・小児歯科「近藤歯科クリニック」までお尋ねください。
「お問合せ」には、当院の電話番号やwebフォームが設置されておりますので、お気軽にご利用ください。
webフォームでは、気になるところや口の中の様子を記入したり、口腔内写真を送信したりすることが可能です。