歯が無くなる原因とは?
歯が無くなってしまう原因とは?
“歯は、歯周病になるとダメになる”、“歯周病で歯を抜かれた”、などとよく一般的には言われています。
一昔前は、“むし歯で歯がダメになる”と言われていましたが、むし歯予防の知識、定期健診などが普及し、現在では、“歯周病が怖い”と言われています。
実際のところはどうでしょうか?
以下、歯を抜く、歯がダメになる原因を多い順に並べてみました。
1.食いしばりにより歯のまわりの組織(歯ぐきや歯槽骨)が破壊された。
2.食いしばりにより、歯の根が折れてしまった。
3.体の抵抗力が落ちて、もともと弱い歯がダメになった。
4.良くない食生活、生活習慣。(食べ方、食べ物の嗜好など)
5.重度の歯周病。
6.合っていない被せ物。(クラウン、ブリッジなど)
7.重度のむし歯。
従来言われていた、むし歯、歯周病は意外に少ないことに気づきますね。
ただし、これらは、歯科に来院される方の話ですから、本当に重症の方は歯科にも来院されないのかもしれません。
食いしばりにより歯のまわりの組織が破壊される状況
以下の症状が特徴的です。
- 噛むと痛い。
- 痛みが時々ある。(とくに疲れた時) さらに悪化すると持続的に痛くなります。
- 歯ぐきの周りがよく腫れる。
- 固い物がよく噛めない。
そして、以下の項目に3つ以上当てはまる方は要注意です。
- 仕事が忙しく、さらにストレスが大きい方。
- 頑張り屋である。
- 一日中、仕事などで机に向かっていることが多い。とくにパソコンを長い時間やらなくてはならない方。
- 昔、スポーツをやっていた、または、今ゴルフをやっている方。
- 固い食べ物が好きな方、とくに、ガムを多く噛んでいる方。
- 食事を短時間で食べる方。
現代人は、ストレスが多く、、などは、出来る範囲でご自分でコントロールしていくしかないと思います。
3.については、このサイトの「歯ぎしり、食いしばり」のページの“日中(睡眠時以外)の状況での対策”を参考にされてください。
4.については、スポーツをやっていた方は、常に、日常、無意識に、頑張ろうとすればするほど、無意識に食いしばる傾向にあります。
したがって、“無意識の食いしばり”をしていることをご自身で気づいて、食いしばらないように注意していくことです。
そして、ゴルフをする時には必ずマウスピースをしてください。ただし、格闘技のとき装着するマウスピースのように厚さが厚いものではなく、なるべく薄いものを使用することです。(厚いと顎の関節に負担がかかります。)
5.は、「固い食べ物を噛むことは歯に良い」と思われがちですが、実際は「普通の固さのものを、ゆっくり何度も噛むことが歯や歯ぐき、あごに良い」のです。
成長期のお子様の場合でも、確かに“噛む”ことはいいのいですが、あまり、固い物を噛みすぎないほうがいいでしょう。
さらに、ガムなどは、あまり毎日習慣的に噛み続けるのも良くないです。
確かに、キシリトールはむし歯予防には効果的です。しかし、その反面、噛みすぎは歯や、歯を支える組織にはダメージを与えることもあります。
“噛みすぎ”に注意しましょう。
6.最後に食事を短時間で済ませる方も要注意です。
早食いは、噛み方(あごの動き)が上下的な単純運動となり、(肉食動物の噛み方と言われます)歯や、歯を支える組織にも負担を大きくかけます。
そのうえ、被せ物や、詰め物も取れやすくなります。よく、詰め物がとれる方、要注意です。健康のためにも、ゆっくりと、よく噛んで食べましょう。
体の抵抗力が落ちると?
体の抵抗力が落ちると、歯には、直接影響は出ませんが、歯を支える組織には重大な影響が出ます。
歯を支える組織には、歯肉、骨、歯根膜(歯と骨をつなぐ組織)とがありますが、これらの血液の流れが悪くなるか、または血液中の免疫物質の量が少なくなり、歯を維持していくのが難しくなるのです。
歯の神経を殺した後の治療である(すでに神経が死んでいる場合も含めて)根の治療に時間がかかる場合がこれに相当します。
通常、歯の根の治療は少なくても3回くらい、多い場合は数え切れないほど(何カ月も)かかってしまいますが、患者さんの体の抵抗力にも左右されるため、このような差がでてしまうのです。
ですから、歯の根の治療ははっきりと何回かかると予測するのが難しいのです。
したがって、体の抵抗力が落ちると、歯も維持していくのが難しくなります。