立川歯周病研究所(医療法人社団徳梓会 近藤歯科クリニック監修)
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歯周病の進行

歯周病の進行

歯周病を加速度的に進行させる、“咬合性外傷”

ブラキシズムはどうして問題なの?

歯肉やあごの骨(歯周組織)の変化

「ウサギギク」(北アルプス双六岳)

「ウサギギク」(北アルプス双六岳)


1.健康な歯
健康な歯

歯は健康な歯ぐき、骨に守られています。

堅いものが咬めるのは、歯がしっかりしているだけではなく、歯を支える組織(歯ぐき、骨など)がしっかりとしているからです。

2.歯肉炎
歯肉炎

歯と歯ぐきのさかい目の歯肉溝が、口の中で最も細菌に対して弱いところです。

しかも、歯の根もとの部分はみがき残しが多く、バイオフィルムを形成します。バイオフィルムとは、むし歯菌や歯周病菌(プラーク)のかたまりで、歯ぐきに炎症を起こさせます。

歯肉炎は、歯をみがくと出血したり、歯ぐきが赤く腫れるなどの症状があります。

 

3.重度歯周炎
重度歯周炎

歯肉炎の状態で治療を受けられと比較的簡単に回復しますが、これをほうっておくとさらに進行し、歯周炎になります。歯周炎では、歯ぐきやまわりの組織の破壊が進み歯を支えている骨も溶かしてしまいます。

そして最終的には、歯はグラグラになり、抜けてしまいます。これら歯肉炎、歯周炎を合わせて歯周病といいます。

さらに歯周病の怖いところは、多数の歯がいっぺんにダメになってしまうところです。

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歯周病を加速度的に進行させる、“咬合性外傷”

一般に、歯を失う原因は、虫歯と歯周病だと言われています。しかし、実際、治療する側から言わせていただくと、その2つよりも、咬合性外傷で大事な歯を失う場合のほうが多いのです。

もともと、20代のころから歯周病になってしまった、歯ぐきの弱い方の場合、歯が時間とともに、1本1本抜けていきますが、残った歯の本数が少なくなればなるほど、歯が抜けるのが早くなっていきます。

それだけ、かみ合わせの力の負担がかかってくるわけです。(これが、咬合性外傷です)

一方、若いころ、歯周病にはならなくて、虫歯にもならない、“いわゆる、歯医者なんかいったことがない!”方の場合は、それこそ、なんでも、ぎゅうぎゅう噛んだり、くいしばったりするものですから歯は壊れなくても、次第に、歯を支える周りの組織が壊れてきて、歯が緩んできます。

ぎゅうぎゅう噛んだり、くいしばったりすることを“ブラキシズム”といいます。  

この “ブラキシズム”により、“咬合性外傷”の状態になり、歯を支える歯周組織の抵抗力が弱くなっているところに歯周病に感染し、(もともと存在していた歯周病菌が元気になって)あっという間に歯がなくなっていきます。

歯周病と咬合性外傷は密接な関係

ですから、歯周病と咬合性外傷はお互いに密接な関係があるわけです。

歯周病の原因の一つにストレスがありましたが、ストレスによるくいしばりこれが最も、咬合性外傷の原因になります。

食事時以外はなるべく、歯をギュッとくいしばらないようにしたいものです。

あと、パソコンなどを長時間やり続けていると、肩がこってきませんか?

これも無意識のうちにくいしばっているので要注意です。

肩から首にかけて、顎と閉じる筋肉とつながっているので、ついくいしばっているのです。 力仕事以外の机に座って仕事をしている人や、運転を長時間する人にも咬合性外傷が多いのも、このためです。 これを防ぐには、同じ姿勢を長く続けない(1時間以上)ことです。

少し周囲を歩いたりして、体をほぐすといいと思います。 どうしても、くいしばってしまう人はマウスピースをおすすめしていますが、これもほどほどにです。入れすぎもかえってよく、ありません。

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ブラキシズムはどうして問題なの?

ブラキシズムは、歯・歯肉・歯槽骨(歯を支える骨)とその周囲の組織に、さまざまな影響や弊害を及ぼします。

歯や周囲の骨などが受け止める咬む力は、強い人では70kgを超える、とても大きな力です。

ブラキシズムの場合、その大きな力が持続的に加わるため、硬い物を食べるときのように一瞬だけ強い力がかかる場合よりも、ずっと大きな影響が出るのです。

■歯の変化

歯の変化

歯がしみる 冠や詰め物がはずれる、歯が割れる

「ブラキシズム 歯ぎしり・噛みしめは危険」牛島 隆他著 医歯薬出版より

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歯肉やあごの骨(歯周組織)の変化

歯周病にかかっている歯に、さらにブラキシズムによって大きな力が加わると、急速に歯肉や骨(歯周組織)の状況が悪化することがあります。

歯周病と相乗作用

「ブラキシズム 歯ぎしり・噛みしめは危険」牛島 隆他著 医歯薬出版より

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