立川歯周病研究所(医療法人社団徳梓会 近藤歯科クリニック監修)
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お口の中の腫瘍

お口の中の腫瘍

1.乳頭腫

乳頭腫

本疾患はヒト乳頭腫ウイルス(ヒトパピローマウイルス)(HPV)との関連が指摘されています。HPV感染はがん化に強く関与していると考えられていますので、要注意です。子宮頚がんのうち、90%前後にHPVが検出されています。

乳頭腫自体は良性腫瘍のひとつと考えられています。

2.線維腫

線維腫1 線維腫2

舌、歯肉、頬粘膜(頬の内側の口腔内側の粘膜)、口唇のいずれの部位にも発生します。。

歯や義歯の慢性刺激による、線維組織の増殖性の変化により作られたものが多く、真の腫瘍は少ないといわれています。切除後の再発は少ないです。

3.血管腫

血管腫1 血管腫2

血管腫は血管組織の増殖を特徴とする、良性の腫瘍で、口腔領域にはよく見られる病変です。

真の腫瘍というよりは、反応性の血管増殖などである場合が多いとされています。

まれに、口腔粘膜と皮膚に多発性の血管腫が出現する全身的疾患もありますので、注意が必要です。

4.エプーリス

エプーリス1 エプーリス2

エプーリス(歯肉腫)は、過形成によって歯肉上に発生した良性の限局性の無痛性の腫瘤です。

一般に、20~30歳代の女性に好発します。出生時に既に認められるものや、妊娠時に発生するもの(妊娠性エプーリス)もあります。

治療は、腫瘤を歯肉、骨膜(歯肉と骨とをつないでいる組織)、歯槽骨(顎の骨の歯を支えている部分)の一部を含めて外科的に切除します。

妊娠性エプーリスの場合は十分にブラッシング指導を行い、出産後も残っている時には、外科的に切除を行います。

5.扁平上皮がん

扁平上皮がん1 扁平上皮がん2

口腔がんは増加傾向にあります。

口腔がんは、早期に発見すれば治癒率は高く、術後の機能障害も少ないです。

我が国における口腔癌の罹患者数は年間7000人であり、全がんの1~2%を占めます。

男女比は3:2で男性に多く、年齢は50歳代、60歳代に多く、我が国では、増加傾向にあります。

口腔がんの危険因子には喫煙、飲酒、慢性刺激、ウイルス感染等が指摘されています。

喫煙と飲酒は相乗的に口腔がんのリスクを上昇させ、食道がんなどの、上部消化器がんのリスクも上昇させます。(重複がん)

ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮頚がんの発生に深く関わっていますが、口腔がんとの関連も、多く示唆されています。 

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