歯の表面のエナメル質の石灰化が少なかったりエナメル質自体が薄く弱いことがあります。
とくに第一大臼歯によくみられ、歯の表面が白く濁っていて溝の部分はむし歯のように茶色くなっていることがあります。
こらは、この歯のエナメル質が出来る時期に体調に変化があったためと考えられています。

第一大臼歯のエナメル質が作られる時期はちょうど生まれたときです。
また、この第一大臼歯のエナメル質形成不全がみられ、同時に前歯にも見られるケースもあります。やはり、出生前後の母体や乳幼児期の環境に関係があるといわれています。

小児矯正の場合、ちょうど小児矯正を始める時期にこの第一大臼歯がしっかりと生えてくるにつれて、エナメル形成不全も
見つかることも多いです。
大体２０人に一人くらいの頻度で見つかります。

対処法としては、まず、甘いもの、砂糖の摂取を制限し、短期間でのチェックをしていきます。
フッ素塗布、予防填塞（よぼうてんさい）をまめに繰り返し、フッ素濃度の濃い歯みがき剤をお勧めしています。
他の歯と同様、萌出後半年?１年はとくにむし歯になりやすいので、注意が必要です。
それでも、エナメル質がボロボロと欠けてきてしまったら、最小限削って、レジン系の材料でその部分を修復します。

最終的には、金属かセラミックの補綴物での修復が必要になるかもしれませんが、小学生、中学生の時期は歯自体も弱く歯の中の神経も感じやすいので、出来るだけ削らずに経過を見ていきます。
それでも、３，４年たって小学校高学年以上になると、当初弱かった歯質も硬くなり丈夫になっていきます。
小児矯正治療中は常に定期チェックも続け、矯正終了後にふたたび、削って補綴物の修復をするかどうか検討、相談するようにしています。